いちばん星保育園の給食の大きな
特徴について書いていきます。
いちばん星保育園の給食の進め方は
かなりゆっくりと進んでいると思います。
一般的に離乳食は、離乳中期の7〜8カ月頃になると
お米やイモ類、野菜、果物に加えて
魚や肉、卵黄、大豆製品、乳製品などをいただくようになっていています。
そしてそれは
「様々な食材を食べさせて好き嫌いをしない子に育てるため」
とか
「多くの食材をいただいて栄養のバランスをとるため」
であるといわれています。
このような考え方を知った上で
あえていちばん星保育園では
・多くの食材をいただくよりも
より子どもの体にあった食材を提供してあげること
・子どもの食は急がずにゆっくり進めること
を大切に献立を立てて調理しています。
それは、食べ物を受け入れる口の状態、歯の状態、
体の中の内臓の状態などを考えてのことです。
日本において「離乳食」という言葉や料理、献立が出てきたのは
戦後のことです。
それまでは、子どもが食べたそうにしたら
大人のものを小さくして与えたり
お味噌汁にご飯を入れて食べさせたりと
大人の食事を工夫して子どもに食べさせてました。
それも、子ども自らが食べたいという意欲がでてきたら食べさせる、
という子ども主導な食の在り方だったと思います。
そのため、子どものための料理も献立も必要なく
すりつぶすとか
ドロドロにするとか
味付けを薄味にするとか
そのような考え方はなかったし
この時期がきたから、離乳食を開始しようとか
この時期はこのくらいの硬さのものを食べさせないといけないとか
データや本などを基準に与えることはしていなかったのです。
子どもが食べ物に興味がでたら
食卓に並んでいるものを工夫して
子どもに食べさせる。
基準になるものは目の前にいる我が子。
だから現在のママさんよりも
食に関する悩みは少なかっただろうし
離乳食を作る手間などなかったのではないかと
思われます。
そもそも、離乳食の考え方が広まったのは
ほんの最近のことです。
1980年代に厚生労働省がガイドラインを作成してからなのです。
今までなかった考え方がでてきて
自分の子どもをみて判断していた食の進め方から
生後何か月かという時期や
その時期に食べる物や食べ物の形状に基準が移り
この時期だからこうやって食べさせないと!
と考えて、基準と合わないと不安になる。
なかなか食べなてくれないと
発達が悪くならないのか、
少食で大丈夫か、
離乳食の作り方が悪いのか、
味付けがよくないのか、
などと不安になり
たくさん食べれば食べたで、
たくさん食べて肥満にならないか、
丸飲みするけど大丈夫か、
噛んでいないのではないか、
などとたくさんの悩みがでてきてしまう。
いちばん星保育園の給食をゆっくり進めるのは
子どもの発達に合わせてあげたいから。
数値やデータ、本などの情報はあくまで参考であって
子ども自身の体の発達に基準をもってくる。
そうすると
奥歯が生え始めるのが1歳半くらい
このくらいまでは、丁寧にゆっくりと食を進めるべきだとみえてきます。
乳歯の20本が生えそろい、乳歯列が完成するのが2歳半から
ということは
やっとこの辺りから様々なものが食べられるようになるだろうから
食べる食品数を増やして幼児食に切り替えるといいかなと
考えます。
乳児歯列が完成したということは
食べるための道具である歯がそろったということ。
きっとみえない体の中の機能も
食べものを受け入れる準備ができたんだろうな
とみることができるだろうと思います。
子どもの発達で一番急ぐのは頭の発達です。
だとしたらどのようなものを
小さい時期から与え
どのようなものを与えないようにするか
こんなふうに、実際の子どもの体の状態を基準に
物事を考えていくと
考え方が非常にシンプルになってきますし
そんなに急いで色々なものを
たくさん食べなくてもいいのではないか
という結論になるのです。
最近、離乳食と幼児食の間に移行食を設けたのも
もう少し幼児食を食べる時期を遅くして
子どもの発達に合わせてあげるためです。
ご家庭では保育園よりもっと
子どもに寄り添った食が提供できると思います。
全ての答えはきっと目の前の子どもにありますから
悩んだときは子どもたちに教えてもらってくださいね。
つづく